日本初公開!
ハナウマベイ改善計画

「(99年)8月17日にハナウマベイの改善計画の説明会があるんだけれど、行ってみない?」
ハナウマベイの改善計画検討会の主要メンバーの1人で、シュノーケルレンタルショップやワクラクバスを経営している友達のケビンさんから誘われました。ただのハナウマベイ好きの日本からの1旅行者が、ハナウマベイのスペシャリストが集まる改善計画の説明会に出席できるなんて夢のような話。行かない訳がありません。

実はこの5月、改善計画に関する公聴会が開かれました。その計画は約1,300万ドルをかけてココヘッドクレータ(ハナウマベイのすぐ横の大きな山)にケーブルカーを掛けて展望施設を作ったり、大きな駐車場や立派なビジターセンター、レストランを作ったりと、ハナウマベイの周辺を大規模開発するといったもの。

とこが近隣の住民は「ディズニーランドでも作る気か」「地域環境の大きな変化はイヤ」と、これに大反対!そこで計画を再度見直すことになりました。
今回はその見直し計画の内容を皆で相談しようという会です。

説明会の会場になったのハナウマベイの近くにある”ハハイオネ小学校”の講堂。

説明会は19:00から。ハナウマボーイはちょっと早めの18:30分頃に行って会場作りの手伝いをします。

開始時間にはハナウマベイの管理責任者のアラン・ホング氏を始め、ツーア会社の人、ハナウマベイのサポーターチーム”フレンドオブハナウマベイ”のメンバーやボランティア、検討委員会のメンバーなど、約50人が集まりました。


詳しい図面と解説(ここをクリック)

19:00、説明会がスタートしました。司会の人が今までの検討経緯を説明した後、施設の設計を請け負った"Gorup 70 International"より、施設面の改善案が説明されました。その内容はと言うと...
・老朽化したビジターセンターや事務所などは全て壊し、新たに湾の左手の駐車場近くに入園料の支払、教育、本や土産物の販売などを行なう半地下式の"Edcation Center"を建設する
・ビーチにある売店を壊し、駐車場の近くにカフェテラス風の売店を作る
・ビーチに降りる道を広くし、人と車がより安全にビーチに降りられるようにする。

・道を砂浜と同じ色にして景観を損ねないようにする。
・スノーケルレンタルショップをもっと崖側に移動し、砂浜を広く使えるようにする
・砂浜の木の本数を増やす。
・坂道を降りたところに仮設ではなくしっかりしたインフォメーションデスクを設置する
など、約990万ドルをかけて施設を改善するといったもの。
全体のトーンとしては5月時点の計画よりも規模を縮小し、新たに建設するものは全て景観を配慮した作りにするというもので、より「開発」ではなく「改善」に近い計画に変更されていました。

発表に引き続き、ざっくばらんにこの計画内容について話し合いが行なわれました。
「Education Centerは半地下式でしょ?暑くならない?」
「売店が駐車場のエリアに行っちゃったらビーチにいる人は飲物とかどうするの?」「冷たい水が飲めるようにするかな」....
といった感じの活発な意見交換が21:00過ぎまで続きました。
今後、専門委員会での更なる検討や住民への公聴会を経て来年初頭には実施の可否判断がされる予定となっています。
ハナウマボーイの感想
ハード面の検討はどんどん進んでいるんだけど、ソフト面の検討はまだまだといった感じ。
例えば「ビジターセンターで一通り環境保護の説明を受けた人だけ入園できるようにする」って言っているけど、内容や時間、方法などは全然決まっていないのがちょっと気がかり。
また、これだけの開発をしたら湾内への土砂の流入など、環境面での影響が出ないか心配です。
「新しくなったハナウマベイに行ってみよう」って具合にわんさか人が押し寄せるかもしれないし...
ハナウマボーイとしては「確かに施設は古いけど今のままで十分。大きな開発はちょっと...」と思うのですが皆さんは如何?
1999年11月11日 市議会が計画承認
99年11月11日、約5時間の審議の後、約11億円を投じてハナウマベイを改修する計画をホノルル市議会が7対2で承認しました。これにより年明けにも工事に取り掛かる見込みとなりました。
さて、新しく設けられる入園の際のルールですが、
・ビジターセンターで5〜7分位の教育ビデオを見た人だけビーチに降りられる
・一度見た人は1年間はビデオを見なくても入園できる
といったものになりそうです。
設計図を見る限り、ビデオを見せるための部屋がとっても狭いのが気になります。今あるビジターセンターと大体同じ位の大きさの部屋ですから詰め込んだって20人が限界。
こりゃ朝から大行列の予感...早起きせねば。
2000年1月27日 土地自然資源局で公聴会
2000年1月27日、ハワイ州の土地自然資源局でハナウマベイの施設の改修に関する公聴会が行われました。検討会のメンバー、市のコンサルタントや代表など38人が計画についてスピーチし、その内容は23人が「支持」・15人が「不支持」または「要再検討」というものでした。州の土地自然資源局はこの公聴会の結果を元に、最終的に改修の許可を与えるか否かを決定する予定です。
ハナウマベイ一帯は市および郡の自然保護区に指定されており、施設の改修には州の土地自然資源局の許可が必要です。
2001年1月21日 一体いつ結論が出るの?
いやはや、市議会が計画の承認をしてはや1年以上経ちますが未だに開発の見通しが立っていません。
この間、地域住民やハワイアンのグループとの話し合いが何度も持たれたのですが、結局結論が出ていません。賛成派・反対派双方一歩も譲らずといった状態。結論が出るにはもう少々時間がかかりそうで、「あと3年はかかる」と言っている人すらいます。
ちなみに、建設が開始されれば約6ヶ月で完成するそうです。
2001年2月10日 建築許可が下りる
2000年2月10日、州の土地自然資源局はハナウマベイに新しいビジターセンター・ギフトショプ・売店を建築する事を許可しました。これから約90日以内に、ビジターセンターでどのような展示を行うかといった事を話し合った後、建築に取りかかる事になります。

反対派は「環境保護について説明するためにビジターセンタを建築すると言っているが、ハナウマベイのスタッフがオフィスを確保するための言い訳に過ぎない。ハナウマベイに大きな建物は要らない」と怒っています。

うーん、今からどんな展示をするか検討するとは...もっと先に検討すべき事だったと思います。

2001年3月2日 間もなく建設着手
2001年2月27日付けのハワイの朝刊「Honolulu Advertiser」によれば、
建設はこの4月からはじまり11月には終わる予定。
入園者はエドケーションセンターで7〜9分の環境保護のためのビデオを見てからビーチに降りる。
教育ビデオではハナウマの歴史・文化・自然保護・海の危険予防等について紹介する。
ビデオ上映をする「トレーニングルーム」の
収容人数は125名。
ピーク時には1時間程度の順番待ちが発生する模様。
一度トレーニングを受けた人は一年間有効のトレーニング免除パスがもらえる。
約2週間の間、ビーチに下りる路面を整備するためにハナウマベイを閉園する。
との事です。
記事の原文はこちらをどうぞ(英文)。施設の図面等はこちらをどうぞ(英文)
最新情報が入りましたらまたお知らせします。
2001年4月22日 改善工事始まる
2001年4月2日、とうとうハナウマベイ改善工事が始まりました。
工事開始当日、「ハナウマベイにでかい建物はいらない。それに、何故あんなビーチの近くに建ねばならぬのか?」と反対していたグループの人達が抗議活動を展開。
ここをクリック(Honolulu Star-Bulletin)
(・・・何故か楽しそうなのですが)
尚、ハナウマベイ関係者によると「教育には実際に守ろうとしている海が見えないと..それにビーチが近くないと全員を誘導するのが難しいし..」と言っています。

また、2週間のハナウマベイの閉園ですが観光に携わっている人達が「突然閉園してもらっては困る!早く予定を発表して欲しい!」とハリスホノルル市長に抗議したところ、「閉園なしでやる」と言ってしまったそうです。そんな事出来るんかいな(^^ゞ

尚、現在工事に伴いビーチにあった売店は閉店していますが、駐車場の近くに移動売店があります。シュノーケルレンタルショップは仮店舗で営業中です。
2001年5月15日 工事最新情報

現在、かなりハイピッチで工事が進んでいます。
駐車場脇を写真のように塀で囲み建物を建築中です。
工事に伴い、駐車場にあった木は切られてしまいました。(-.-)
ビーチにあった売店・シュノーケルレンタルショップは取り壊されました。
ビーチは工事の為に狭くなっています。また少々やかましいです。
坂を降りたところにあったトイレも無くなったので着替え室は混んでおります。
坂を降りたところにあったシャワーも無くなりましたので、これまた混んでおります。
暫く落ち着かない日々が続きそうです。
2001年5月23日 建物高過ぎダ〜メダ〜メ!
さてさて、ハナウマベイの工事が始まって1ヶ月半が経ちました。工事も順調に進み、柱も出来上がった矢先に
「ダメダメ!これじゃビーチから建物丸見え。景観台無し!屋根をもっと低く。1.5メートル下げなさい。」とホノルル市がダメを出しました。
「何度も図面や完成予想図で確認したのに」
と開発者側はぼやいています。これにより、約1000万円の建築費増と1週間の遅れが出る事になります。
もともとこの工事に反対していたグループの人達は
「だから言ったじゃないの。もっとビーチから離れた場所に作れって...」
関連記事:Honolulu Star-bulletin 5/23号(英語)ここをクリック
2001年6月27日 特注の壁運び込まれる
26日、エドケーションセンター・軽食売店・トイレの海側に設置される壁が運び込まれました。

この壁は景観とマッチするように岩に似せて作られた人工のもので、費用は約1億2千万円。ハナウマベイで取った岩型をもとにフィリピンで作られた特注品で、ファイバーグラス・レジン・エポキシ樹脂と岩の粉で作られているそうです。
自然の岩を用いなかったのは費用を抑えるため。風雨に侵食される事もありません。
人工とはいえかなり出来栄えだそうでハナウマベイの管理責任者もご満悦の様子。7月中旬には組み付けが終了するとの事。
ちなみに、今のところ心配された工事の遅れは無いそうです。
関連記事:Honolulu Advertiser 6/27号(英語)ここをクリック

2001年8月4日 工事、着々と進む

工事開始から4ヶ月が経ちました。途中、建物の高さを抑えるといった設計変更もありがしたが、着々と工事は進んでいます。
左の写真は駐車場近くに建設中の軽食の売店です。写真ではコンクリート剥き出しですが、7月末より岩に似せた特注の壁(→)の貼り付け作業も始まりました。
肝心な工事スケジュールですが、当初11月には完成する予定でしたが、年内一杯かかる見通しとなりました。また、この秋にはビーチに下りる路の改修の為、2週間の閉園が予定されています。閉園の日付が決まりま次第、ここに掲載します。
工事の最新情報はホノルル市のサイトでも確認できます。
http://www.co.honolulu.hi.us/parks/facility/hanauma/index.htm
2002年1月7日 工事、やっぱり遅れる

工事開始から8ヶ月が経ちました。本当なら11月に完了する予定でしたが来年の3月下旬に変更されました。併せて、建設費用も1030万ドルから1270万ドルに膨らみました。うーん、よくある話。
建設費用増加の原因は、この5月に実施した建物の高さの設計変更や電力ラインの引き直し、週末の警備員の追加など。
左の写真はビーチの中央付近に新しく設置されるインフォメーションキオスクです。景観に配慮して藁葺きになっています。
ともあれ、早く完成して欲しいですね。シャワーは混むし、ビーチに売店は無いしで不便です。おまけにドガチャカ音がして落ち着きませぬ。
関連記事:
Honolulu Advertiser 1/1号(英語)ここをクリック
Honolulu Advertiser 1/4号(英語)ここをクリック
Honolulu Advertiser 1/7号(英語)ここをクリック
【2月17日】
※その後、スケジュールが変更になり結局5月中旬までかかるそうです。
2002年3月20日 閉園日決定する
4月10〜23日の間、ハナウマベイを閉園して工事する事がホノルル市から正式にアナウンスされました。

上記の期間はハナウマベイの入り口のゲートが閉じられ、中に入ることができません。スノーケリングはもちろん展望台からの観光も出来なくなります。4月9日は火曜日なので実質4/9〜23の間は休園になります。
この間にハナウマに行くツアーを予約されている方は代理店へ確認する事をオススメします。

2002年3月23日 閉園日、変更に
閉園期間が4月17〜30日へと変更になりました。

正式な手紙が出てから3日しか経っていないのに、工事の日程が変更なりました。ただ、この予定、特に終了日は工事の進み具合によって変わる可能性があるとの事です。

2002年8月16日 工事が完了しました(NEW!)
2002年8月16日、約15ヶ月の工事を経て予定よりも8ヶ月余り遅れて工事が完了しました。
15日午後は関係者を招いてのセレモニー、16日午前は午後からの本格OPENに向けてハワイ住民を招いての予行演習が行われます。
本日よりハナウマベイのビーチに下りる際、環境保護と海の安全をテーマにしたビデオを観る事が必要となります。名前を登録すると1年間はビデオを観なくてもビーチに降りられるようになります。尚、環境ビデオの音楽を担当したのは地元の人気アーティストのナ・レオです。

オープン当日(8月16日)は通常3000人/日のところ、8000人もの人達が集まったため急遽ビデオを観なくてもビーチに降りられるようにしました。また、2両連結タイプの新型ラクラクバスはあっという間に壊れてしまいました。

また、本来1060万ドルで建設する予定でしたが、設計変更や工事期間の延長等により結局1,300万ドル使ってしまいました。こりゃ完全に予算オーバーで、結構モメそうです。

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